借金を残す遺影に落雷や(真打)
義父は、見栄張りの法螺吹きな 人だった。
借金は億を超え、自宅も差押え。
長男だった夫のところにも督促状が届いた。
身重だった私は、産まれてくる子供のために必死でお金を貯めていたが、これはそのうち借金のカタになるだろうと思っていた。
それでも盆暮れに会う義父は、もうすぐ大金が手元に入ってくる、と法螺を吹いた。
さすがに行きづまり、逃げ回る生活も当たり前になった頃、癌が見つかった。
あれほど苦しめられた年月から、余命半年であっけなく解放された。